広島風お好み焼は、お店で職人さんが作り上げるのを見るのが何よりも楽しみです。まず鉄板の上に水で溶いた粉をクレープのように丸く広げ、その上に20センチ近く盛り上げられる大量のキャベツ!焼いていくと次第に縮んでいくのですね。その上にモヤシ、そして肉や魚介などを載せ、全体をいったんひっくり帰すのがまた見もの。別に麺(焼きそば or うどん)を焼き、最後に卵を丸く広げ、その上に具と麺を盛り、ひっくり帰す。いちばん上に来た卵に、ソースとマヨネーズを塗り、青のりをふって完成!
その広島風お好み焼を通販で売っていると聞いて、「え?」と最初は疑問でした。あの食感が失われてしまうのではないかと思ったのです。しかし、真空パックから出して電子レンジで5分加熱し、付属のソースと青のり、「シーフードデラックス」にはさらにマヨネーズをつけてみたところ、記憶にある味によく似た、なかなか美味しい広島風お好み焼ができあがりました。
今回いただいたのは広島を中心にお好み焼チェーンを展開する「徳川」が販売しているものです。強い火力を必要とする広島風お好み焼を家で作ることは考えられませんから、店に行かずに手軽に楽しめるというのは大きなメリットです。「シーフードデラックス」は、エビとイカ、そして広島で人気の「イカ天」も入っています。
広島風お好み焼の店舗では注文の際、麺を焼きそばにするか、うどんにするかいつも迷います。このシリーズは残念ながら焼きそばだけのようです。うどんのほうも食べてみたい!

広島風お好み焼きのルーツは、戦前の「一銭洋食」(小麦粉を水で溶き、ネギや干しエビなどを入れたもの)だと言います。太平洋戦争で特に大きな被害を受けた広島では、戦後の復興の時代に、屋台で食べ物を提供して生計を立てた人が多く、鉄板と火力があれば調理できるお好み焼きも好まれたとのこと。公園などに多くの屋台が集まり、互いに影響し合いながら、現在の形ができ上がってきたそうです。

【2009年】