「お焼き」といいながら、現在は「蒸す」ものが多くなっていますが、もともと野菜を油で炒め味噌や醤油で味付けした具を、小麦粉やそば粉で作った生地で包み、囲炉裏で焼いて食べたもの。野菜と穀物をバランスよくとることができる日常食として、米がとれない信州の山間部の人々の健康を支えてきたのでしょう。スイーツなどではなく、山里の暮らしを思い浮かべながら、ヘルシーなごはんとしていただくのが正統派といえそうです。

「おやき」って知ってます?「十勝大名」や「今川焼」をそう呼ぶ人もいますが、今回の話は違います。長野方面に旅行に行くと、よく売店などでお目にかかる信州名物のことです。「野沢菜おやき」が代表的ですね。何度かすすめられて食べたことはあるのですが、野沢菜自体が苦手なこともあり、実はあまり「うまいもの」という印象は持っていませんでした。
それが先日、2009年1月9日~12日まで東京ドームで開かれていた「ふるさと祭り東京」の会場内で食べたスイーツ系の「おやき」は美味でした。「あずき」(写真上)はツブツブ感のある素朴な甘さの粒餡、「りんご」(下)はシナモン風味も心地よいサクサクした果肉がたっぷり入り、モチモチ感のある薄い皮との相性も抜群。もちろん食べ応えも十分でした。
このおやきは「縄文おやき」と言い、製造販売元がある長野県小川村の縄文時代遺跡から雑穀の粉を練って焼いた跡が発見され、これが「おやき」のルーツという説があって名づけられたものだそうです。カタログをみると、野沢菜をはじめとする惣菜系からスイーツ系まで、十数種類が紹介されていました。食べやすく棒状に成型し、カレーやピザなどの洋風の味を取り入れた「おやきん棒」も目を引きました。単価は税込160円中心。クール便でのお届けもしています。冷凍のまま電子レンジでも、蒸し器でもOK。オーブントースターではカリッとおいしく仕上がるとのことです。

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【2009年】