酒を長い間放置しておくと酢になる、という話をよく聞きます。酢は酒に酢酸菌を加え、発酵させて作るものですから、放置していた酒に酢酸菌が入り込めば酢になることはありえます。遠い昔、きっとそのようにして酢が発見されたのでしょう。ですから、米から酒を作ってきた日本では米酢(よねず)が、ぶどうからワインを作ってきた国々ではぶどう酢(ワインビネガー)が造られ、それを使った料理や食品が発達しています。酢はその他いろいろな穀物や果実から作られており、ちなみに最近人気の黒酢は玄米や大麦を原料に使っています。

「スイートビネガー」という飲用の酢を頂戴しました。製造者は大阪府吹田市にある近藤造酢。2009年で創業100年を迎えた老舗メーカーで、伝統的な製法で造られる同社の酢やつゆ、醤油は、品質に定評があり、全国のすし店、割烹料理店等で使われているとか。
近年は健康ブームの中で酢が注目され、特に最近は黒酢が人気のようです。飲用の商品も増えていますが、ツンとくるにおいと独特の酸味が渾然一体となった風味が苦手な私には、酢を飲むこと自体が一つのチャレンジ。一度飲んでみた紙パック入りの黒酢ドリンクはさほど抵抗なく飲めましたが、さてスイートビネガーはどうでしょうか。
今回選んだのは「飲むカシス酢」と「飲むパイナップル酢」。米から作った米酢(よねず)に果汁を加えた商品も一般には見られますが、このスイートビネガーは、文字通り果実から作った果実酢をベースに、それぞれカシスの果汁、パイナップルの果汁を加えたこだわりの商品です。品質表示の品名を見ると、カシスが「調味酢」であるのに対し、パイナップルのほうが「清涼飲料水」となっているのは、酢の含有量が少ないためと思われます。
3倍に希釈して飲むとありますが、私には5倍くらいでちょうど良い感じ。それだけ薄めても、カシスの色はしっかりとしたカシス色(?)、パイナップルは透明感のある金色に輝いています。十分に果汁の風味が味わえ、パイナップルはちょっと不思議な甘さ、カシスは蜂蜜で酸味をバランスよく調えたコクのある味で、ビタミンCやアントシアニンが豊富な果実だけにいかにも健康に良さそう。ひと味違った栄養ドリンクといった感じがして、飲むとシャキッとします(個人的感想です)。
牛乳で割るのも良いという不気味な情報があり、恐る恐る試したのが写真の一番右ですが、ブルーベリーヨーグルトよりも深みのある味わいで、意外なおいしさを発見しました。食事と一緒にいただけば食欲もアップしそうです。
ドリンク剤などの「薬」に頼らずに元気をつけたいという方には、このスイートビネガーはおすすめかもしれません。近藤造酢では2009年7月現在、上記のほかに、飲む赤ぶどう酢、飲むマスカット酢、飲むラズベリー酢の3種類、計5種類を製造しています(http://www.kondo-zosu.co.jp)。

【2009年】