高架下のワンダーランド
JR秋葉原駅と御徒町駅のちょうど中間の高架下に「2k540 AKI-OKA ARTISAN」というちょっと不思議な商業施設がある。「にーけーごーよんまる」は東京駅を起点に2キロと540mという鉄道用語、「あき-おか」は秋葉原と御徒町、アルチザンは職人の意。アートな命名だ。2010年12月オープンという。
外見は高架下にプレハブ倉庫でも作ったような印象だが、一歩足を踏み入れると、見知らぬ国の地下街にでも迷い込んだかのような錯覚を覚える。メインストリートを挟んで、革や布、木、宝飾、金属、陶磁器、プラスチックなど、それぞれ専門の手工芸品やオリジナルグッズを扱うショップが50店近く軒を連ねる。店内で実際に製造している「工房」が多いのも特徴。かつてこの地域が職人街だったことにちなみ、新しい「職人の街」が作られているのだ。持ち物にこだわりを持つ方にはたまらないだろう。個人的にはそうした関心は乏しいが、この施設が持つ独特の雰囲気は十分に魅力的だ。
個性的な飲食店もいくつかあり、イタリアン風の「遊食家ブー」でランチにした。週替りハンバーグ、830円也。ねぎ入りソルトレモンソースの味わいは、なかなか新鮮であった(写真3段目右)。
気になるのは、認知度が今一つのためか、やや賑わいに欠けること。秋葉原からも御徒町からも徒歩6、7分かかり、客の誘導が難しそうだ。と思っていたら、2013年7月、秋葉原駅至近、かの有名なガンダムカフェやAKBカフェのすぐそばに、姉妹施設として、日本の食をテーマに全国から名品を集めたマーケットがオープンした。かつて神田にあった青果市場(やっちゃば)と秋葉原をかけて、CHABARA(ちゃばら=写真下)。これまた、ひねったネーミングに唸る。企画マンは相当凝り性ではないかとお見受けする。この施設、秋葉原を訪れる外国人を含めた観光客にもアピールできると思われ、ここから2k540にも新しい人の流れが生まれそうである。
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