新虎通りの異色カフェ
どこのコンビニでも淹れたてコーヒーが100円で飲めるようになり、コーヒーマシンがオフィスや家庭にじわじわと普及するなど、コーヒーをめぐる話題が多い昨今である。コーヒー業界も市場変化への対応がなかなか大変と聞くが、西新橋には、そんなコーヒー製造販売大手のキーコーヒーの本社が環状2号線・新虎通り沿いにある…と書いたが、実は本社の玄関口はもう一つ向こう側の通り沿いにあり、新虎通りができたおかげで、本社の裏が目抜き通りに面してしまったのが実情である。このようは事態は、2014年3月の新虎通り開通以来、そこかしこのビルで起こり、さてどのように「裏」を「表」化していくか、頭を痛めているところも多いようなのである。
そうした中、キーコーヒーはコーヒーショップをオープンした。2014年6月、まず別館に開店、間もなく8月に本社1階の現在地に規模を拡大して移転し今日に至る。店の名は「キーズカフェ クラッセ」、同社が提供するカフェ開業システムのモデル店舗でもあるらしい(写真左上)。独自の氷温熟成技術をうたうコーヒー(250円)を中心に、ドリンク、サンドイッチ、パスタ、デザートなどを提供している。テイクアウトが基本だが、店舗前のスペースと新虎通りの歩道部分にテラス席を設け、開放感のある都心の風景の中で軽食とコーヒーを楽しめるようになっている。
2015年6月某日、同店が開店1周年のイベントを始めたというので訪ねてみた。オリジナルマグカップ、ドリッパー、コーヒーフィルタ、コーヒー豆(粉)、特製洋菓子にコーヒーチケット1000円分がついて税込1620円のおトク感にひかれて「1周年記念セット」を購入(写真右上)。付いてきたチケットも即利用してアイスコーヒーをいただいた。なるほど、虎ノ門ヒルズを眺めながら楽しむコーヒーは、なかなか心地よい味わいだ(写真右下)。
ところで、この本社ビルからわずかに離れた同社の別のビルにある「アマンド フローズンリングカフェ」(写真左下)でも、キーズカフェ1周年に連動して記念の限定商品を発売していた。アマンドとは、少し古い方には思い出も多いであろう、あの「六本木 アマンド」である。今はキーコーヒーのグループ会社となり、何とかブランドと技術を守って新しい商品開発にも挑戦している姿に触れ、流れゆく時を実感するのであった。
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