花と緑のパスタの店
パスタ好きの方が多いのか、出店しやすいのかは不明だが、新橋・虎ノ門界隈にも、パスタの店は結構ある。昔はパスタといえばスパゲティナポリタンとミートソースしか知らず、特にこてこてトマトソースのナポリタンが好きだった。今は、あまりにいろいろなメニューが登場し、ナポリタンの価値が大幅に低くなってしまったのが残念である。
そんな中、西新橋1丁目、外堀通りから少し南に入った所に「高級ナポリタン」をメニューに載せる店がある。西新橋なのだが「虎ノ門パスタ」という。2008年7月のオープン。店頭はいつも花と緑がいっぱいで、遠目に見るとフラワーショップと見間違えそうだ。緑に囲まれたレストランは日比谷公園にも何店かあるが、街中でこの雰囲気は珍しい。
2010年3月、久しぶりにランチタイムに立ち寄り、多彩なメニューの中から高級ナポリタンを注文。1.4ミリの乾麺と1.9ミリの生麺が選べるようになっていた。少し芯が残った感じのゆで加減を好む人も多いようだが、今回は柔らかくてコシのある生麺のほうにする。サイズがS、M、Lとあり、100円ずつ違う。ちなみに写真のMサイズが130gで1000円。トマトソースの味は普通より辛めと思う。ランチタイムサービスとして、生姜の利いた薬膳スープ、一口コロッケ、デザートが付く。さらに最近は、ピークを過ぎた1時以降に行くと、フランスパン一切れのサービスがプラスされたとのこと。個人的には、コロッケよりパンのほうが何倍かうれしい。スパゲティを食べると、いつもさっぱりしたパンをかじりたくなるのだ。それにしても、これだけおまけがつくとSサイズでも十分では、という感じになる。
何が高級かはナゾの「高級ナポリタン」というジョークのようなネーミング、ランチサービスアイテムのユニークな取り合わせ、花いっぱいの店頭と不思議なイラストの看板…。「おしゃれな店」というよりは、オーナーの趣味が色濃く反映された「家庭的な店」というべきだろうか。どこかの高原リゾートの、個人経営のペンションが併営するレストランなどを彷彿させる、殺風景なビル街のオアシスのような店である。
CONTENTS