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栗饅頭といえば…
西新橋1丁目、外堀通りに面して、昭和22年（1947）創業の「丸万」という店がある。当社から一番近い和菓子屋であろう。看板商品は、自家製の餡にこだわった栗饅頭。刻んだ栗を練り込んだ白餡に、まるごと1粒の栗が入っている。口当たりのよいしっとりした食感、栗もホクホクしてうまい。ボリュームもたっぷりだ。
ところで、栗饅頭の原点は「勝栗」のようである。今ではお菓子の名前だったり、甘栗のことをそう呼んだりしているが、もともとは栗をゆで乾燥させて保存性を高め、料理などに使う食材のことらしい。栗饅頭の名店として知られる九州・小倉の湖月堂は、明治28年（1895）の創業時、その勝栗を包んだ饅頭を発売し、日清戦争・日露戦争の戦勝ムードに乗せて大ヒットさせ、今日の基礎を築いたという（もちろん、今の栗饅頭は勝栗を包んでいるわけではない）。
形の美しさでは湖月堂に軍配が上がるかも知れないが、味では丸万の栗饅頭も引けを取らない。手土産におすすめである。とはいっても、土産品はやはりご当地の名を冠したものが欲しいという方もいる。そうした方には、クリームを包んだ蒸しケーキ「新橋界隈」や、梅の実が入ったゼリー「新橋小梅」が良いかもしれない。いずれも、ほかでは買えないネーミングの商品である。
この丸万、かつては生ケーキも製造しており、結構気に入っていたのだが、ファッション性の高いケーキをこの立地で安定して売っていくのは難しいのだろう、残念ながら2007年でやめてしまった。その代わりに、日持ちのする洋菓子の品揃えを充実させ、にぎやかな売場を演出している。
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