新虎通り、初の大イベントに湧く
2016年11月19日・20日の週末、新橋・虎ノ門地区で、「東京 新虎まつり」が開催された。メインプログラムは20日の「東北六魂祭パレード」。東北6県(6市)が東日本大震災以降、「鎮魂と復興」をテーマに毎年会場持ち回りで共同開催してきた「東北六魂祭」を再現する企画で、総勢400名が参加する大規模なパレードであった。かつて当地区でこんな大がかりな催しが行われた記憶はなく、環状2号線新橋・虎ノ門地区の40メートル道路、通称「新虎通り」が整備されて初めて実現したものといえる。都心の新たなビジネス拠点と賑わいの創出をめざして2014年3月に開通、すでに2年半がたつが、認知度もまだまだといえる中、関係者の期待も大きかったことだろう。
イベントは、東日本大震災からの復興のアピールと、日本の文化や東京(特に地元港区)の魅力の発信をテーマにしているらしく、新虎通りのシンボル的建築物である「虎ノ門ヒルズ」や、通りに隣接する南桜(なんおう)公園で、日本文化フォーラム、東北と東京の観光情報の提供、郷土料理や食材、名産品の販売などが行われていた。それらの企画にあまりインパクトは感じなかったが、青森のねぶたや秋田の竿燈がひときわ目をひく「東北六魂祭パレード」は、十分に見ごたえがあった。
しかし、近年のイベントでのテロや事故の影響か、東京オリンピックも控えて、会場運営の慎重さには驚かされた。パレード観覧は事前応募(抽選)という形で人数を制限、8カ所の観覧エリアに振り分けて自由に動けないようにしたほか、会場周辺の交通規制は車だけでなく徒歩での通行もかなり制限され、周辺施設の利用は大きく迂回する必要があるなど、不便を強いられた。安全のためには致し方ない面もあろうが、もう少し自由に楽しめてこそ「祭り」ではなかろうかと思うのであった。
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