芝公園の梅まつり
2009年2月21日、都立芝公園梅林で梅まつりが開催されていた。前日の荒天とは打って変わってこの日は快晴のおだやかな天気に恵まれ、馥郁とした梅の香りが漂う中、野点や琴の演奏が来園者を楽しませていた。
この芝公園梅林の梅は、江戸時代から新宿角筈(今の西新宿3丁目あたり)にあって「梅屋敷銀世界」と称され親しまれていた梅林の梅を、明治41~42年頃に移植したものだそうである。白梅を中心に約70本という数は湯島天神の300本などと比べたら小規模だが、春の訪れを体感するには十分だ。この梅まつり、これまでは2月上旬に開催していたが、梅が開花していないとのクレームがあり、今年は開催を遅らせた。すると今度はちょっとピークを過ぎてしまったという。自然相手のイベントは難しいものである。
ところで、芝公園ってどこ? と思う人もいるだろう。あまり奥行きのない公園が延々と続いている印象である。芝公園で待ち合わせなどといったら、どこに行けばよいのかわからない。そもそも芝公園は明治6年(1873)、上野、浅草、深川、飛鳥山と共に日本で初めて国によって指定された5つの公園の1つである。当時は増上寺の敷地を含んでいたが、戦後の政教分離の考え方でそれが除外され、今のような増上寺をぐるりと取り巻くドーナツ状の公園になってしまったとのことである。
現在、芝公園には1号地から25号地まであり、梅林は都営地下鉄芝公園駅A4出口からすぐの1号地にある。この1号地には、都内最大級の芝丸山古墳(5世紀頃の前方後円墳)があり、隣接地には徳川家康公を祀る芝東照宮があるというロケーションである。
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