クリスマスピラミッドの下で
2015年も残りわずかとなり、日没とともに、あちらこちらでクリスマスイルミネーションがきらめく季節となった。そんな中、12月11日から25日まで、都心の日比谷公園で「東京クリスマスマーケット」というイベントが開催された。ヨーロッパ各地で開かれるクリスマスマーケットを再現するという企画で、クリスマスグッズやクリスマス料理を販売するヒュッテと呼ばれる山小屋風の屋台が大噴水を囲んで建ち並び、紅葉した日比谷公園の森、ビル街の明かりとのコントラストも美しく、なかなかグッドな雰囲気であった。
独特のクリスマスムードを生み出すのは、高さ14mの木製のタワー。クリスマス人形を飾った何層もの台座と先端に取り付けられた大きな風車のような羽がゆっくりと回って来場者の目をひく。このタワーのルーツは、ドイツ東部、チェコとの国境近くの山岳地帯に位置するザイフェン村にあるという。数百年の伝統を持つおもちゃの村として知られ、クリスマスを演出する木製の人形やオーナメントは世界中にファンがいて、特にろうそくの炎が作りだす上昇気流で上部に飾った羽が回転するキャンドルスタンドは「クリスマスピラミッド」と呼ばれて親しまれている。大きなタワーはそれをモチーフに作られたもので、ドイツのクリスマスマーケットのシンボル的存在とか。今回は本場ドイツから取り寄せ、現地の職人を招いて設営を行ったそうで、なるほど本物感漂う出来栄えに納得。一見の価値あり、と言えそうである。
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