優しい光のキャンドルパーク
東京駅丸の内中央口からまっすぐ皇居に向かって伸びる行幸通りを行き、濠を渡ると右手に噴水公園が見えてくる。和田倉噴水公園という。天皇陛下(当時の皇太子)ご成婚を記念して昭和36年(1961)に建設され、さらに現皇太子殿下のご成婚を記念して平成7年(1995)に再整備された公園であり、国民公園皇居外苑の一部を構成している。開放的なデザインの園内のレストランでは、よく結婚披露宴が開かれていたりする。
この噴水公園には、行幸通りをまっすぐ進まず濠の手前で右手(北側)に折れ、和田倉橋(写真上)を渡って入るのもおすすめである。もともとは江戸城内郭門の1つ、和田倉門と一体になっていた橋で、昭和28年(1953)に架け替えられて今日に至る。コンクリート製だが欄干は木製で往時の木造の橋の雰囲気を今に伝えており、さらに橋を渡ると、門の枡形を構成していた石垣が残っていて風情がある。その枡形を通りぬけると噴水公園である。
ここで2009年12月21日から26日まで、今年で4回目となる「光都東京LIGHTOPIA」というイベントの一部を構成する「アンビエントキャンドルパーク」が開かれていた。舌を噛みそうな名前で、アンビエントとは確か「周辺環境の〜」といった意味だったかと思うが、平和や地球環境をテーマに地元の小学生が絵を付けた円筒形の明かりが一面に並び、各界の著名人も作品を寄せていた。この時期は至る所でキラキラしたLEDのイルミネーションが見られ、それなりにきれいだが、このような優しい揺らぎと暖かみのある色の明かりに、人々の思いを載せるという企画もなかなか良いものである。
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