東京の夏、本番
2011年は意外に早く梅雨が明け節電対策もあって、暑い、暑いの毎日である。そんな中、盆迎え火の7月13日、千鳥ヶ淵で「納涼の夕べ」という恒例のイベントがあった。ご存知の通り桜の名所で、濠には貸しボート場があり、ボートを漕ぎながらの桜見物も人気がある。そのボートに乗って水面に灯籠を浮かべ、花火をして夏のひと時を楽しもうという趣旨。「灯籠流し」は送り火の行事と記憶していたが、どうもお盆行事とは関係がないらしい。80台のボートの乗り手は一部を除き事前申込制。経験の乏しい方も多いようで、うまく漕げず、特にこの日は水面を渡る風が強かったため思わぬ方向に流されてしまうボートもあり、係の方も御苦労様である。しかし高みの見物をしているほうとしては、その様子が面白く(失礼)、風も涼しくて心地よい。
ところでこの日は、すぐそばの靖国神社で「みたままつり」も始まっていたので足を延ばした。九段下寄りにある大鳥居をくぐると、おびただしい数の提灯が参道を飾り、その金色の光が荘厳な雰囲気を醸し出す…はずなのだが、ずらりと並ぶ露店の数と参道を埋め尽くす人の波のほうに圧倒される。祭りは16日まで開催され、今日13日はまだ前夜祭のはずなのにこの人出はすごい。近隣には学校が多いためか若者が異常に多いのも驚きだ。拝殿に向かう途中、神門をくぐるころには人口密度がガクッと減るので、どうやら多くの若者は露店街に滞留し、その喧騒の中でテンションを上げていたようである。大震災後のお祭り行事の自粛、自粛でフラストレーションがたまっている方には、このごった返した雰囲気は最高だろう。「納涼の夕べ」で涼しくなったのに、すっかり汗だくになってしまったが、東京の夏の風物詩をしばし楽しみ、よい気分転換となった。
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