鏡開き+どんど焼き
のご利益
このところ乃木坂といえば「46」の認知度が高そうだが、もともとは明治天皇に殉じた陸軍大将乃木希典をご祭神として乃木神社が建立され、それにちなんで命名された坂の名前。港区赤坂にあり、乃木坂という地名ではない。建立の経緯にはやや違和感を覚えるが、乃木神社自体は大変よく管理された端正で美しい神社である。
2016年1月11日、その乃木神社で「鏡開き」と「どんど焼き」の神事があった。1月11日は全国的に「鏡開き」の日。正月に歳神様にお供えした鏡餅を下し、お汁粉などに入れて食べ、福を取り込む。神様が宿った鏡餅を刃物で「切る」「割る」は縁起が悪いということで、木槌などで叩いて「開く」ため「鏡開き」と言う。一方、「どんど焼き」は、名称の意味は定かではないが、正月の飾り物などを盛んな炎で焚き上げ、その灰や煙を浴びることで無病息災を祈る行事であり、一般的には1月15日の小正月に行われることが多い。いわば正月を締めくくるこの2つの行事を一緒に執り行うところが何とも素敵で、有難さも倍増という印象である。
境内に設けられた祭場で神職が祝詞を捧げ、厳かに鏡餅を木槌で開く。このような厳粛な形で「鏡開き」の日を迎えたのは初めてのことで、新鮮な感動。「どんど焼き」もまた、神事のあと、塔のように積み上げられた正月飾りやお札の数々が一気に炎に包まれる様子に、心洗われる思いであった。お焚き上げの炎も徐々に鎮まりつつあるなか、境内の一画では、餅の入ったお汁粉がふるまわれ、それがまた優しい甘さで、しばし幸せな時間を他の参拝者の皆さんと共有。何の根拠もなく、よい1年になりそうだなあ、という気分にさせられたのであった。感謝。
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