「出世の石段祭」湧く
2014年9月22日から24日まで、近くの愛宕神社で「出世の石段祭」が開催された。この祭りの一番の見どころは、何といっても「出世の石段」と呼ばれる86段の急勾配の石段を神輿が渡御するところであろう。
この祭り、2年に一度開催されることになっているのだが、実は前回開催の記録があるのは2009年。その2年後の2011年は東日本大震災のため中止となり、1年間延期されるような形で2012年に計画されたが、今度は台風の影響で中止となってしまった。
ということで、本社神輿の渡御は実に5年ぶり。23日当日は秋らしいさわやかな好天に恵まれたこともあり、久々の晴れ舞台に、地元関係者の意気もあがっていた。普段なら人出の少ない祝日のビジネス街にもかかわらず、狭い境内は多くの見物客でふくれあがった。
15時、社殿に続く丹塗りの門前で神事が執り行われたあと、町会神輿が先導する形で本社神輿が一の鳥居をくぐり、威勢の良い掛け声とともに石段を下った。完成したばかりの虎ノ門ヒルズ前を通り、環状2号線・新虎通りを練り歩く光景(写真中右)も、今年の見どころの1つであった。
その後5つの氏子町内を渡御した神輿は、18時30分、すっかり日も落ちて提灯の明かりが浮かび上がる大鳥居前に戻り、いよいよ社殿に還輿する「石段のぼり」のクライマックスを迎えた。神輿は響きわたる太鼓の音と掛け声の後押しを受けて一段一段しっかりと歩みを進め、頂上に到達すると大きな拍手がわき上がった。ちょっとしたハラハラ感・ワクワク感があって、久しぶりに楽しめた良い祭りであった。都心で、このような勇壮な祭りが見続けられることに感謝である。
CONTENTS