日比谷公園の
新酒ワイン祭り
2009年11月3日・4日、日比谷公園で新酒ワインの試飲・即売会「山梨ヌーボーまつり」が開催された。山梨県がフランスのボジョレー地区にならい、日本独自の品種、白ワイン用の「甲州」と赤ワイン用の「マスカット・ベリーA」を使った新酒の解禁日を11月3日と定め、今年収穫のブドウによるワインの新酒販売をイベント化しようとしたものだ。
入口で1000円を払うと、プラスチックのグラスと、35社が出展した68種類のワインリストが渡される。参加者はリストを見ながら興味あるブースへ行き、そのグラスで次々と試飲を楽しむ。会場の出入りは自由で、試飲しない人は1000円を払う必要はない。即売所でボトルを購入して飲んでも良いのだ。
3日の文化の日は雲ひとつない快晴で、開場(11時)の1時間前から列ができ、11時に行った人は入場まで1時間かかったという。そして噴水を囲むように設置されたブースの前は、すぐに人の列で足もとが見えなくなり、その横の芝生は、レジャーシートを敷いてワインを飲みながら、持ち込んだ弁当やデリを楽しむ団体で埋まっていった。ブース前は初詣の明治神宮、芝生は花見の靖国神社といった光景だ。日比谷公園でワインの試飲会があると聞き、「シートと食物を持って皆で出かけよう」と思いつく情報収集能力と企画力と行動力のある人の多さに驚かされる。これはやはり、ブログなどネット情報の力だろうか。有料入場者数は、文化の日が6500人、翌日が1300人であったとのこと。これはあくまでも1000円払って試飲をした人だけの数である。即売所の売り切れ情報の紙には次々と銘柄が書き込まれていった。
新酒ワインは甘口のものが多い。そして「にごり造り」の人気が高いようだ。マンズワインが開発した日本独自の製品で、醸造過程で本来は濾過する酵母や食物繊維をそのまま残す。これが製品化され好まれるのは、日本酒の伝統がある国だからという気がする。
CONTENTS