小一時間、楽しんで
ついこのあいだ烏森神社の例大祭(5月)があったと思ったら、もう「新橋こいち祭」の時期になってしまった。梅雨も明け、いよいよ夏本番である。ネクタイが暑い!
さて、「こいち祭」は新橋エリアの地域活性化を目的に、新橋地区の町会・商店会が中心になって開催しているもので、13回目となる今年(2008年)は7月24・25日に行われた。「こいち」とは「小一時間」からきた命名である。新橋はサラリーマンの町。仕事帰りにちょいと一杯を楽しんでいく人が多い。そのノリで、気軽に小一時間楽しんでもらいたいという思いが込められている。だから開催日も木曜・金曜になっている。そもそも土曜・日曜に開催しても人が集まらず、盛り上がらないのだ。
祭りはSL広場やニュー新橋ビル、かつては小学校があった桜田公園を中心に、コンサートや盆踊り、恒例の「ゆかた美人コンテスト」などのイベントで盛り上がる。特に今年は「oya-G(おやじ)バンドコンテスト」が面白いと思った。若い頃にグループサウンズやフォークに熱を上げたおやじ世代が再び楽器を手にし始めたトレンドをとらえ、かつサラリーマンの街、オヤジの街・新橋にふさわしい企画だった。
立ち並ぶ屋台や縁日は、地元町会などが出店するものが多く、手作りの祭りという印象が強いことに地域の人々の心意気を感じる。普段は通いの勤め人ばかりが目立つ街だが、実際は暮らしている人も多いのだ。どこからとなく子供たちがたくさん集まってきて、祭りを楽しんでいるのが微笑ましい。とはいっても圧倒的に多いのは大人の勤め人で、10代の若者の姿があまり見あたらないのも特徴であろう。仕事帰りのひと時を十分に楽しませてくれる催しだ。いちど来た人は、たぶん新橋が少し、好きになる。
CONTENTS