築地の美味しい盆踊り
2010年8月4日から7日まで開催された築地本願寺第63回納涼盆踊り大会の、最終日の夜に行ってみた。まず驚かされるのが人数で、目測で2000人はいた。『読売新聞』の記事に「5日の参加者7500人」とあった。驚くべき数である。家族連れが多くベビーカーも多数あったので、ご近所の方が中心なのだろうが、築地への観光客が祭りの気配に吸い寄せられるのを少なからず目撃した。
さらに、屋台の料理を目的に来た人もいるはずだ。自ら「日本一美味しい盆踊り」と公式サイトで書いているように、築地場外の名店が軒を並べるのだ。「松露」の玉子焼き、「鳥藤」の焼鳥、「広洋」のべったら漬け、「きつねや」のモツ煮込み、「浜藤」のすり身、「築地天むす」の天むす、「管商店」のシューマイなど、有名店の味を一人前単位で買うことができる。海鮮をその場で網焼きにしている店など、たいへんな列だった。夜がふけるほどに、屋台の前は足の踏み場もなくなっていく。
踊りももちろん盛大で、見物客が気軽に輪の中に入り、楽しそうに踊っていた。外国人もたくさんおられた。築地音頭、大東京音頭、ホームラン音頭…などがそれぞれ2回ずつ演奏されるので、2回目にはみな踊れるのだ。特に中央区のオリジナルという「これがお江戸の盆ダンス」という曲が素晴らしく、「チュチュッとチュチュッと中央区/ChuChuッとCyuCyuッと輪になって/これがお江戸の盆ダンス」というサビがいまだに耳から離れない。
築地本願寺は、寺は仏教の道場であると同時に、地域の人々が気軽に集まり歌って踊る場所であるという役割も忘れたくないと公式サイトで宣言している。そうした本願寺の志が、これだけの人々と、地域内の名店の協力を集めるのだろう。
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