東京港で船と遊ぶ
2010年5月15日・16日、晴海客船ターミナルを主会場として「東京みなと祭」が開催された。国際貿易港として東京港が開港したのは今から69年前、1941年5月20日のこと。このイベントは、開港記念日である5月20日前後の土曜・日曜に毎年開かれているもので、今年で63回目を数える。主に東京港で海運に関わりの深い業務を行っている企業・団体・公的機関などが参加し、子供を対象にしたイベントが数多く組み込まれていて、普段は閑散としている晴海埠頭が大勢の家族連れで賑わう。
だが子供向きかといえば、さにあらず。大人でも十分に楽しめるし勉強になる。東京消防庁が所有する9艇の消防艇と2台の水上オートバイ、3機の消防ヘリコプターが展開する消防演技・水難救助演技はなかなかのもの。そして、さまざまな特殊用途に使われている現役の船舶の内部を見られるのも貴重である。今回は、独立行政法人航海訓練所が所有する船員訓練用の船で世界最大級の帆船である「日本丸」(写真2段目右)、消防演技にも登場した東京消防庁最大の化学消防艇「みやこどり」が目玉。間近で見るその主砲(大型放水砲)は、水鉄砲大好き人間の心をときめかせる(3段目左)。さらに南極海までも出ていく東京海洋大学の大型研修船「海鷹丸」、安全な航路を確保するため今も東京湾の底の土砂をさらっている東京都の浚渫船「雲取」、海図などの作成に必要なデータを収集する海上保安庁の測量船「海洋」。それぞれ個性ある船だが、中でも「雲取」は、宮崎アニメあたりに登場しそうな工場のような姿が印象的だ(3段目右)。会場を移動中には、ポケモンふうの東京警視庁の「ピーポくん」、あざらしをモデルにした海上保安庁の「うみまる」、藤子マンガのパーマンの親戚のような東京消防庁の「キュータくん」、明石家さんまの番組キャラにそっくりな税関の「カスタム君」という、4体のキャラクターの揃い踏みにも遭遇して大満足。ついでに、晴海会場と船の科学館会場を結ぶこの日限りの無料水上バス「リバータウン」の20分ほどの船旅も楽しみ(写真下右)、最後は「ゆりかもめ」でレインボーブリッジをわたって新橋に帰着。結構めまぐるしい1日であった。
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