忘年会の合言葉は3010
2017年も師走、サラリーマンの町・新橋が一層の賑わいを見せる12月6日の夕刻、「食べきり強化月間プレイベント」なる催しが駅前SL広場で開催され、行き交う人々が足を止めていた。港区による食品廃棄物削減に向けた啓発活動であった。
環境省・農林水産省の推計(26年度)によれば、わが国では年間2,775万トンの「食品廃棄物等」が排出されている。このうち、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」は約4分の1の621万トンで、飢餓に苦しむ人に向けた世界の食糧援助量の約2倍とのこと。「食品廃棄物等」とは異なる「食品ロス」の定義がわかりにくいが、生産活動で生じるものではなく、小売店・飲食店や家庭で捨てられる、期限切れや食べ残しの食品を言うようである。
港区は、こうした「食品ロス」を減らす取り組みとして、忘年会・新年会シーズンの12月16日~1月15日、歓送迎会シーズンの3月16日~4月15日を「食べきり強化月間」と定め、イベントはそれに先立つ形で、環境省も推奨する「3010(さんまるいちまる)運動」の推進を呼びかけていた。その趣旨は、宴会開始から30分を味わいタイム、またお開き前の10分間を食べきりタイムとして、皆で料理を食べることを優先し食べ残しを減らそうというものだ。他にも、食べきれる量を注文したり、苦手の食材を他に変えることも推奨し、そうした対応に積極的な飲食店を「食べきり協力店」として登録、すでに区内に60店を超える登録店があることも紹介された。イベントには、ごみを減量するリデュースのイメージキャラクター「だんじろう(断辞郎)」も登場、ゲストのにしおかすみことの妙な掛け合いでステージを盛り上げていた。今年の忘年会は、あまり欲張って食べ物・飲み物を注文しすぎないことから心がけるとしましょうか。
(写真右は、港区食べきり協力店のステッカーと環境省の3010運動啓発三角柱POP)
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