築地場外市場、
家族連れで賑わう
2008年10月11日と12日、築地場外市場で“秋まつり”が開催された。毎年、春も夏も秋も「半値市」などの催しをやっているので珍しくはないのだが、今年は「築地秋の試食育まつり」と題し、さらにパワーアップした企画になっていた。
まずは各店が自慢の品をお得な価格で提供する有料試食。イベント広場では、東京の有名飲食店や全国の名産品の出張販売も人気を呼んだ。そして12日の日曜日は、親子料理教室、生簀での釣り大会、魚のさばき方教室、さんまの食べ方コンテストなど盛り沢山のイベントに親子連れが殺到した。
農林水産省が力を入れて取り組み、世間の認知度も高まってきた「食育」を築地流に取り入れ、「試食」と組み合わせて「試食育まつり」というネーミングにしたのはなかなかではないか。
ところで、築地場外市場は、築地市場(東京都中央卸売市場)と築地本願寺との間に位置している。もともとここは、江戸城天守閣も焼け落ちた明暦の大火のあと、幕府の命により埋め立てて地を築き(これが築地の地名の由来)浅草から移転してきた築地本願寺と一体に形成された寺町であった。それが大きく変わるきっかけになったのが、日本橋にあった魚河岸が関東大震災で壊滅的打撃を受け、当時海軍の施設があった今の築地市場に移転してきたことである。そこで働く人や買い付けに集まる人を相手に、寺の敷地を借りて様々な商売をする者があらわれ、寺の郊外への移転が進む中で次第に商店街が形成されて、今の場外市場になったという。まあ、そういったややこしい話はさておき、今回のイベント、食欲の秋の休日を十分に楽しめる内容であった。
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