「新虎通り」の土産話
2014年もいよいよ残り1ヶ月。さて年末ご挨拶の手土産は何にしようかと情報収集していたら、思わぬ発見があった。今年の新橋・虎ノ門界隈の大きなニュースといえば、やはり3月のマッカーサー通り、公式名称「新虎通り」の開通だが、いつの間にか、その名を冠した和菓子「新虎焼」が発売されていたのである。
正体は「とら焼」。単なる「とら焼」なら別段面白いことはないが、「新しい」と「新虎通り」をうまく連動させたネーミングに心ひかれる。さらに、商品開発の背景が興味をそそる。新虎通りのシンボルといえば超高層ビルの「虎ノ門ヒルズ」(写真中)、その2階にはマスコットキャラクターの「トラのもん」が鎮座し、デジカメやスマートフォンを構える人が絶えない人気者になっている(写真右)。どうやら、かの有名なネコ型ロボット「ドラえもん」の親戚筋らしい。「ドラえもん」といえば「どら焼」が大好物。それなら「トラえもん」は「とら焼」だろう、ということで、以前から販売していた「寅焼」を新虎通りの開通にあわせて変身させたらしいのだ。こうなると、それまでとは全く異なる商品に見えてくるから不思議なものである。
製造販売しているのは、新虎通りから少し離れた新橋駅近くの烏森通りにある「文銭堂本舗」。昔から地元では「文銭最中」で有名な和菓子店だ。売場に並ぶ「新虎焼」は餡のバリエーションが季節によって変わり、11月末現在は「あずき」「バナナ」「生姜」「りんご」「かぼちゃ」の5種類が品揃えされている(写真左)。税抜き1個200円。試しに「かぼちゃ」を食べてみると、かぼちゃ餡と小豆の粒餡が2層に包まれており、丁寧な作りという印象。大人気商品に育つかどうかは別にして、ちょっとした話題づくりに使える地域の土産が1つ増えたのは喜ばしい限りである。
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