愛煙家にやさしいビル
虎ノ門で目を引くビルの1つに、1995年3月に竣工した35階建てのJTビルがある。日本たばこ産業(略称JT)の本社ビルだ。屋上部の特徴的な形とすらりとした姿がなかなか美しい。
1階・2階はレストラン街のあるパブリックなスペースとなっている。最近の公共スペースは禁煙になる傾向が強まっているが、さすがにここのロビーには立派な灰皿を備えたベンチが数か所設けられ、心おきなくタバコを吸える。
さて、そのロビー入口付近にショールームのような一画があり、「MAM」と記されたしゃれたサインボードが見える。実はここ、2006年春にオープンした携帯灰皿の店だ。MAMとは、Mobile Ashtray Museumの略。携帯灰皿をMobile Ashtray、shopでなくMuseumとしているところにこだわりが感じられるが、ちょっと気取りすぎの感あり。
100円から3万円くらいまで、ポリ製から金属、皮革と素材もさまざま。携帯灰皿といえば、よく流れていたJTのテレビCMを思い出す人も多いだろう。そこに登場したアイテムももちろん品揃えしている。筒型のキーホルダー風のものは2500円ほどで、人気商品だそうだ。「ギフト用にもよく売れます」とのことだが、携帯灰皿を贈るということは「ポイ捨てしちゃダメよ!」「これ持っていると、いつでも吸えるよ!」どちらのメッセージを贈ることになるのだろうか。JTの2007年のインターネットアンケートによると、愛煙家の携帯灰皿の常時携行率は35.5%とある。この数字、高い? それとも低い?
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