専門書店で「お札タオル」
地下鉄霞ヶ関駅C1出口からすぐ、当社から徒歩5分ほどのところに、霞が関政府刊行物サービス・センターがある。
独立行政法人国立印刷局をご存じだろうか。年配の方には大蔵省印刷局と言ったほうがわかりやすい。お札や切手、官報その他政府刊行物を印刷する機関である。行政改革の流れで2003年4月から現在の組織になった。政府刊行物サービス・センターは、その国立印刷局直営の、政府刊行物を専門に取り扱う書店である。といっても官報、職員録、白書、有価証券報告書、年鑑、統計集などのほかに、一般のビジネス実務書も販売されている。広くも狭くもない手頃なスペースに、絞り込んだ品揃えがしてあるので、何か仕事に役立つ本を見つけようという時には役に立つ。実はこの刊行物センター、全国に10店しかなく、うち東京に大手町と霞が関の2店。その貴重な1店が会社の近くにあるのだ。ありがたいことである。
そこを先日、久しぶりに訪れて、一瞬目を奪われたのが写真の「お札タオル」である。デザインは1000円札、5000円札、1万円札、それに2000円札の表面と裏面、計5種類があり、各500円。贈答用に5本セットの化粧箱入りもある。3、4年前から販売を始めたところ予想以上に売れて、特にゴルフコンペやパーティーなどの景品に好評らしい。
でもなぜここに? 調べてみると、昭和49年(1974)に大蔵省印刷局の退職者を中心に設立された「鳳産業」という会社が発売元という種明かしであった。もともと見学者用のお土産として、国立印刷局や財務省、日本銀行の売店など極めて限られたところで販売され、静かな人気を得ていたそうだ。商品には「ミルクシルクタオル」との表示あり。東洋紡が1970年代に開発した「シノン」というハイテク繊維を使っている。牛乳に含まれるたんぱく質、ミルクカゼインから作られ、絹のような光沢や肌触りを持つので「ミルクシルク」。吸水性や乾きやすさは絹以上というからタオルにはぴったりだろう。単なるギャグに終わらず実用性もある「お札タオル」、これは案外お買得と思って衝動買いしてしまった。しかし刊行物センターに来て本も買わずにタオルとは…。
蛇足ながら「お札タオル」はインターネットでも販売されているので、興味のある方はどうぞ。http://www.osatsu.jp/
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