生クリーム80周年
新橋1丁目、日比谷通りに面した航空会館1階に、ちょっと目を引く一画がある。カラフルで大きなアルファベットが並んでいて一見意味不明だが、よく観察してみると、「中沢プロモーションカフェ・フルーゼハウン」という名の店であることがわかる。フルーゼハウンとは、酪農の盛んな国、デンマーク語で「クリームの港」という意味だそうだ。
中沢という名は、私などには聞き慣れないが、業務用乳製品のブランドとして有名らしい。ここ航空会館の3階に製品開発・生産を担当する中沢フーズ、さらに新橋2丁目には物流・販売を受け持つ中沢乳業がある。「フルーゼハウン」は2003年、製品PRや、テスト販売、消費者情報の収集などを行うアンテナショップとしてオープン、中沢フーズが運営している。店内の掲示によれば、中沢の歴史は明治初年、現在のJR新橋駅付近で牧場を経営し牛乳を販売したことに始まり、昭和の初めには日本で最初に生クリームを商品化した。今年2009年は生クリーム生産80周年にあたり、「フルーゼハウン」もそれを記念して5月にリニューアルされ、注目度がアップしたようである。
20席ほどの店内は、お固いビル街のちょっとした異空間。あまり商売っ気はなく、店というより、企業のしゃれたショールーム兼談話室といった印象だ。店員さんもおよそ店員らしくなく、実に気さくに会話をしてくれて好印象を持つ。メニューは、乳脂肪率などが異なる4種類の牛乳、コーヒー、紅茶などを各200円で提供。プラス50円でホイップクリーム、ソフトクリームのトッピングが楽しい。というわけで、今回はソフトクリームをトッピングした「ほうじ茶ミルク」を初体験(写真中央)。あるテレビ番組で、麦茶に牛乳を加えるとコーヒー牛乳の味になると言っていたのを思い出し、さてこれはどうかとワクワクしたが、紛れもなくミルクの入ったほうじ茶であった。
デザートでは濃厚な「芳醇プリン」(330円)が人気だそうだが、お土産にはプチチーズケーキのフロマージュブリック(120円、写真右)も良いかも。これらは、ほとんどが3階にある同社のキッチン(お菓子教室なども開かれる)で手作りされているらしく、数に限りがあるので注意。時々、新商品の試食などのイベントも行われるので、ホームページをチェックしていくとオトクに出会える(http://www.cream-dreams.com)。お菓子作りが趣味の方には、スーパーなどであまり取り扱っていないプロ御用達の生クリームが買えるのも魅力かもしれない。
CONTENTS