東京駅に新名所?
東京駅の八重洲口、大丸のあたりを歩いていたら「東京に、新・名所、東京キャラクターストリート」という案内板が目に入った。東京駅一番街と名付けられた地下街へ下りていくと、14店舗からなる一大キャラクターグッズ街ができていた。2008年3月8日のオープンとか。
それにしてもウルトラマン、ハローキティはわかるが、ジャンプ(漫画雑誌)やラスカル(あらいぐま…)などというマニアックなショップもある。仕事でよく通りかかる汐留の日本テレビに「日テレ屋」があるが、その2号店も出店している。それだけではない。NHKをはじめ、在京キー局のショップがすべてそろっていて、各局のマスコットや番組のキャラクター商品が1箇所で手に入るのである。ある意味、テレビ文化の縮図がここにあるといえるかもしれない。
見ていると、決して子供のための店ではない。親子連れのお父さん、お母さんたちが目を輝かせている。OLや若いサラリーマン、カップルの姿も多い。2008年10月17日のNHKの番組で、(株)キャラ研の相原博之社長(バンダイキャラクター研究所所長)が、同研究所の調査をもとに、大人も子供も含めて8割の日本人が何らかのキャラクター商品を所有している、こんな国はほかにないと語っている。普及の要因は楽しさ・面白さよりも「癒し」であり精神的支えである、日本人は昔から「干支」などの動物を置物として飾ったり、根付にして持ち歩いたりしてきたが、それは現代のキャラクター文化に通じるという分析も興味深いものであった。
またある番組では、来日してアニメの登場人物の扮装をする「コスプレ」に興じる欧米人が紹介され、自国でこんな格好をしていたら病気と思われる、日本は自由に着られてハッピーと発言していた。何しろ日本では企業も国の機関も自治体も、PR効果が高いと考えて、こぞってキャラクターを活用している。何かのイベントともなれば、様々なキャラクターの着ぐるみが愛嬌を振りまく。だから免疫もできているのだろう、隣にコスプレイヤーが歩いていても、特に“異常”なことではないのだ。
首都東京の表玄関・東京駅にできたキャラクター商品の専門店街、日本のそんな現状を象徴しているのではないだろうか。
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