心静かにヘルシーランチ
久しぶりに芝の増上寺をお参りし、ちょうど昼時だったので、境内にある食事・甘味処「芝縁(しえん)」に寄った。この店、蕎麦やところ天、くずきり、団子などの伝統的和風メニューを提供する、いわば「茶店(ちゃみせ)」なのだが、昼時にはランチを用意している。ただ火曜日が定休なうえ、毎月何日か不規則に休みをとっており、せっかく来たのに休業ということがあるので、開いていたらラッキーくらいに思っていたほうが良い。周囲の雰囲気にフィットした地味なたたずまいなので、閉まっていても違和感はなく、立地柄、さほど不自由に感じる人もいないのだろう。
さて、2011年6月某日のランチメニューは、おでん定食、さばの味噌煮定食、おばんざいセット、カレーライスの4品で、各800円。いちばんイメージがわかない「おばんざいセット」を注文。おばんざいとは、ご存じ京都でいう手近な食材を使った日常いただく惣菜のこと。出てきたものが京風かどうかは不明だが、8品のおばんざいに御飯と味噌汁が付いている。一見して、動物性たんぱく質と思しきは卵焼きだけ、脂肪分も極端に少ない質素な内容である。ただ御飯の量が多いので、そこそこのエネルギー量はありそう。厚生労働省では、肥満防止のため食事に占める脂肪エネルギー比率を成人で25%以下に抑えることを目標としているが、このような食事をすれば、一気に目標は達成されるに違いない。
天気もまずまずだったので、今回はオープンエアのテラス席(?)を利用した。白いプラスチックのテーブルセットがちょっと情緒に欠けるが、梅雨の合間で境内の木々がたっぷり水分を含み、森のような香りが心地よい。いろいろな霊も漂っていそうな、この空気の中で心静かにいただくおばんざいセットの何とヘルシーなことか。唐揚げやコロッケなどの揚げ物が1品くらい欲しいなあ、とささやいてくる煩悩に「喝ぁ~つ!」。
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