カフェで楽しむ桜
都内の桜名所のひとつ「桜坂」は、地下鉄の溜池山王駅と六本木一丁目駅の間の道である。明治時代に大きな桜の木があったため、当時から「桜坂」と呼ばれていたという。溜池山王駅のほうから行くには、ANAインターコンチネンタルホテルの手前に道標があるのでそこから坂を上っていき、アークヒルズの裏側に沿って歩くと、霊南坂教会に出る。あとはまっすぐな水平な道で、両側に700メートルにわたり150本のソメイヨシノが、空を覆い隠さんばかりに花を咲かせている。夜はライトアップがある。さらに進むと全面ガラス張りで45階建の泉ガーデンタワーがあり、ここの地下が六本木一丁目駅となる。
この道の真中、サントリーホールの真裏の位置に2010年3月に開業したカフェが「Randy」だ。かつてパティスリーKIHACHIがあった場所とのこと。20席あるテラス席に座ると、昼は春の日差しの中で花見ランチができ、夜はライトアップされた桜を見上げながらディナーやお酒を楽しむことができる。桜の季節、店内の席は予約で埋まっているとのことだが、テラス席は到着順である。夜はさすがに冷えるためか、意外と回転率が良い。この時期、ぜひ訪れたい店のひとつである。テラス席の外側にはお酒とスナックを売る屋台もある(2013年3月末現在)。
抜群のロケーションと外観により、開店3年にしてTVドラマのロケに少なくとも9回は使われたというこのカフェは、才人・小山薫堂氏が友人たちと出した店で、「Randy」とはビヴァリーヒルズに住む食通の友人の名前だという。ランディ氏を招き驚かせるために企画されたカフェのフードは、米国風でボリュームたっぷりである。
なお、近くの六本木ヒルズの横に、ひらがなの「さくら坂」がある。また、福山雅治氏が歌った「桜坂」は田園調布にあるとのこと。紛らわしいので要注意です。
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