いきなり不便
ある日のお昼時、「あれっ」と、何人ものサラリーマンが立ち止まっては引き返す。近くのコンビニが、前日の営業をもって閉店したのだ。聞けば、ビルを建て直す話が持ち上がったのが直接のきっかけという。8年余の営業だった。
私もよく利用していた店であり、これで雨の日は傘をさして離れた店まで行かなければならないし、寒い季節は上着も必要になった。不便になったものだ。
実際、コンビニの閉店が増えている。日本経済新聞の2006年度調査によれば、最大手のセブンイレブンは、1年間に832店出店して407店を閉店した。2位のローソンは、700店作って502店を閉めた。2007年度はさらに出店は厳しく、閉店は増えているというのが大方の見方だ。
都会地はともかく、地方にはちょっと悲しい現実もある。私の実家の近くでは、コンビニができて便利になったが、その出店の影響か、昔から営業していた食品店が店を閉めた。と思ったら、何年もしないうちにコンビニもやめてしまった。小さな市場では年配の夫婦でやっている食品店の経営は成り立っても、何かと運営コストがかかるコンビニはやっていけないのだ。「町中まで行かないと買物もできない。前より不便になった。どうしてくれるんだ」と、車の運転ができない両親は怒っていた。
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