「テラス」が人を呼ぶ?
2019年9月、日本橋の新たな商業施設として、文字通り立派なテラス席を設けた「コレド日本橋室町テラス」が完成、メディアでも取り上げられ話題になっているようである(写真下)。だが、そのオープンより10日ほど早い9月半ば、当社のご近所にも、新たな「テラス」が誕生している。「日比谷シティ」を構成する日比谷国際ビルには、地上から地下1階へ掘り下げた形のサンクンガーデンという広場があり、これまでフットサルコートなどに使われてきた。それが「ヒビコクテラス」(日比谷国際ビルのテラス)という名の、くつろぎのスペースに生まれ変わったのである(写真上3点)。樹木の色調と白をベースにコーディネートされ、人工芝で作られたソファーをはじめ、さまざまな形の椅子やテーブルが配置されて、まるで都会のオアシスをイメージした小さなテーマパークのよう。遊び心も感じられて、なかなか面白い。ランチをする人、昼寝をする人、読書をする人、パソコンやスマホに集中する人、仲間同士で語り合う人など、それぞれ思い思いに、せわしない日常の束の間の休憩時間を過ごしていく。日本橋のテラスより何となく居心地が良いのは、買物・観光などのお遊び客が少ない立地ゆえであろう。以前このコーナーで、街にベンチが増えてきたなあ、という記事を書いたが、いよいよ本格的に、こうしたスペースの存在が施設の価値を高め集客を左右する時代になってきたのかもしれない。
そこでふと気になったのが10月からの消費増税のこと。軽減税率が導入され、店内飲食の税率10%に対し、テイクアウトは税率8%が適用される。飲食店のテラス席、商業施設のフードコート、コンビニのイートイン、ケータリングカーでの販売も席を設ければ10%になるだろう。その点、近くの店で購入した商品を、誰でも自由に使える屋外の休憩スペースで食べれば8%で済む、ということで、ご近所のヒビコクテラスも10月以降、ランチの時間帯の利用がさらに増えそうである。
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