ニューヨークみたい?
千代田区内幸町に、高層オフィスビルに囲まれて、地面が真四角に切り取られたように設計された広場がある。地下1階に相当するこのスペースは、イベントが開かれたり、スケートリンクやフットサルのコートが期間限定で設置されたりと、いろいろユニークな使われ方をされている。
日比谷国際ビルヂング、日比谷セントラルビル、富国生命ビル、日本プレスセンタービルと、この広場を合わせた一帯は日比谷シティと呼ばれる。その中心となる31階建ての日比谷国際ビルと広場の部分には、1938年から1973年までNHKがあった。そのことを示すささやかな「放送記念碑」が残されている(「放送記念碑」ではわかりにくいではないか!)。いまNHKといえば渋谷だが、かなりの年配の方にとっては、NHKといえばここ内幸町だったのだ。
その跡地に日比谷シティがオープンしたのが1981年11月のこと。それからもう四半世紀以上たっているのだが、あまり時の経過を感じさせず、近代的な都市空間としての美しさを保ち続けている。
そのためか、映画やドラマ、コマーシャルの撮影などに使われることも多い。私も何かのロケに出くわし、警備員に回り道を指示されたことがある。ずいぶん以前のことだが、若い女性社員が「実際に行ったことはないけど、このあたりを歩いていると、ニューヨークにでもいるような気分」と言っていた。そのイメージは、今も変わっていないように思える。
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