チューリップ咲く庭
港区芝公園3丁目、東京都水道局芝給水所の隣にあるオランダ王国大使館で、2012年4月13・14の両日、大使公邸の庭の一般公開があった。
現在地にオランダ大使館(当時公使館)が開設されたのは明治16年(1883)、最初の木造の洋館は関東大震災で焼失し、昭和3年(1928)に鉄筋コンクリート造2階建に建て替えられた。その美しい伝統的なデザインの洋館(写真3段目)は現在、大使公邸として使われていて、大使館事務棟(写真上)の近代的な建物とのコントラストが印象的だ。
さてオランダといえばチューリップ。敷地内に入ると、期待にたがわず、色とりどり、形もさまざまなチューリップの花が迎えてくれる。多くの日本人が想像するであろうイメージを、まるで絵にかいたようなオランダの邸宅がそこにあった。建物の中には入れなかったが、窓からのぞくインテリアは上品で落ち着いた印象だった(写真下左)。またテラスから眺める庭園は、芝生地を取り囲むようにチューリップが植えられて、奥には日本風の回遊式庭園が配置されていた。大使館設計のお約束事だろうか、各国がそれぞれ日本的なものを取り入れて自国文化と調和させる工夫をしているのが興味深い。
おみやげにオランダ製の「キャラメルワッフル」というお菓子を購入。オランダの人は熱いコーヒーを淹れたカップにふたのようにしばらく置いて食べるとのこと。事務所に帰って早速実践。なるほど少ししっとり温かく、サンドしているカラメルシロップが柔らかくなって良い感じである(写真下右)。
普段はなかなか中に入れない大使館。こうした機会に訪れて、それぞれのお国柄に親しんでみるのもよいものだ。昨年秋には公邸内部も公開したと聞く。今年も実現することを楽しみに待つことにしたい。
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