晴海に海保の練習船来る
近年、領海警備強化の必要性が叫ばれ、ふだんはあまり話題にならないが、海上保安庁の装備と人員の拡充も急ピッチで進められていると聞く。海上保安官志望者も増えているらしい。
2016年1月、そうした海上保安官の育成に使われている練習船「こじま」が晴海埠頭に着岸し、17日の日曜日、一般公開が行われていた。船体に表示された記号番号はPL21。Pはパトロールヴェセル、Lはラージの頭文字で、大型の巡視船という意味である。総トン数約3000トン、全長115m。ヘリコプター2基搭載のPLH型(Hはヘリコプターの意)には及ばないものの、1機搭載のPLH型と同等の大きさで、450隻を数える海上保安庁の船艇の中でも大型の部類に入る。通常は広島県呉市にある海上保安大学校に配備されているが、必要な時は通常の巡視船として運用される。船自体へのヘリコプターの搭載はないが、広い訓練用デッキはヘリポートとして使えるよう設計されている。
この船で、世界一周の航海訓練が毎年行われているそうだ。1993年の就航から23年を経て、だいぶ年季も入ってきた教室や図書室、食堂、洗濯室、浴室、洗面所など(写真下)には、まさにここに寝泊まりして訓練を続けてきた学生たちの息遣いが感じられるようであった。しかし、見学路の中で一番関心を集めていたのは、ブリッジ前方に装備された35ミリ機関砲と20ミリバルカン砲ではなかったか(写真中左)。それは確かに、海の警察ともいえる海上保安庁の厳しい仕事の一面を象徴するものであるに違いない。
ところで「110番」といえば警察、では「118番」は? 陸地にへばりついた生活をしていると縁がないが、実は海上保安庁への緊急通報番号である。海の事件や事故の第一報は「118番」。もしもの時のために、ぜひ覚えておいてほしいそうである。
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