隅田川をゆく宇宙船
2012年6月28日、東京都観光汽船(株)が運行するTOKYO CRUISE 隅田川ラインに、宇宙船をイメージした新しい船が就航した。「ホタルナ」という。銀河鉄道999や宇宙戦艦ヤマトの作者として高名な(個人的には「男おいどん」のサルマタケのほうが印象が強いが…)松本零士氏がデザインしたもので、8年前の2004年3月に就航した「ヒミコ」の兄弟船である。
ヒミコが1日3〜4便、浅草~お台場海浜公園~豊洲~浅草というルートを運行するのに対し、ホタルナは浅草~日の出桟橋~お台場海浜公園間を1日3~4往復する。船のデザインは似ていても、ヒミコの定員160名に対し、ホタルナは260名とだいぶ大きい。船体の上にデッキが設けられたのも大きな特徴だ。隅田川を航行中は橋の下をくぐるため水位の関係でクローズされていることが多いようだが、日の出~お台場間は、船上に出て360度の景観を潮風を感じながら楽しめる(写真上から4番目)。また、日が暮れて月が上るころになると船体後方の窓が蛍のような光を放ちながら走るのだとか。そんなところに、ホタル+ルナ(月)=ホタルナという名前に込められたこだわりがうかがえる。
さっそく就航初日、午前10時浅草発の第1便に搭乗してみた。待合室からは、ホタルナとヒミコのツーショットが見られた(写真上)。新幹線の新車両のデビューなどとは違って、セレモニーもなく、取材陣も撮り鉄もおらず、肝心の客も少なくてさびしい限りだったが、そのおかげで、日の出行き№1チケット(つまり最初の客)を手にすることができたのが何とも嬉しく、ラウンジのようなゆったりしたキャビンで船内限定デザート「エスプレッソミルフィーユジェラート」500円也を注文し、ささやかにお祝いをした(写真上から2番目)。日の出までの40分足らずの船旅は、あっという間だった。ちなみに乗船料金は、浅草から日の出まで1060円、お台場までが1520円、日の出~お台場間は760円となっている。
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