15分間の
ミニクルーズ
2011年3月11日の大震災以来、どうも高いビルや海の近くには近づきたくないという心理が無意識のうちに働いているようである。これを何とか少しでも克服していこうと、久しぶりに船でお台場まで足を延ばすことにした。
都心からの船便としては日の出桟橋からの水上バスが一般的だが、芝浦アイランドから「アーバンランチ」を使う手もある。「アーバンランチ」は定員41人の小型クルーザーで、2007年、芝浦アイランドの高層マンション街開発に合わせて定期便が開設され、芝浦-台場、台場-豊洲の2航路でほぼ1時間に1便、1日5~8便が運行されている。豊洲からは、土曜、日曜、祝日だけの東京湾周遊コースもある。また1艇をまるごと貸し切りでパーティークルーズを楽しむプランなども提供されている。
芝浦アイランドのターミナルまでは、ゆりかもめの芝浦ふ頭駅JR田町駅から徒歩12~13分。歩いて行くにはいささか不便なところだが、ちょっとおしゃれなマリンリゾートの雰囲気がよい。お台場までの料金は500円。プラス200円で自転車やペットを乗せることもできる。芝浦運河から東京湾に出て、やや遠回りをしながらレインボーブリッジをくぐり、第三台場のそばを通ってお台場海浜公園の水上バス乗り場へ。約15分という短い時間だが、次々に変化していく風景が楽しい。この日は気候も穏やかで実に気持ちのよいクルーズであった。それにしても乗船客が少ない。私のような急性水辺恐怖症の人は意外に多いようで、大震災後は利用客が激減し、例年なら増加する4月に入ってもなかなか回復しないらしい。到着したお台場海浜公園も、やはり人出はだいぶ少ないという印象。以前のような賑わいを取り戻すまでには、まだ時間がかかりそうである。
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