「赤船」出現
ゆりかもめの芝浦ふ頭駅から徒歩7、8分、都立芝浦南ふ頭公園という公園がある。近くに港区立埠頭公園があってややこしいが、そちらは白瀬中尉が南極探検に出発した地として記念碑が建っているものの、当時の南極探検船を模した大きな遊具がデーンと据えられ完全に子供たちの遊び場だ。そもそも海が見えないのに埠頭公園はないだろう。そこへいくと芝浦南ふ頭公園は遊具も何もないが、手摺の向うは東京湾だ。レインボーブリッジが真上を通っているのが特徴で、レインボープロムナード(遊歩道)入口もすぐそば(写真中)。心地よい潮風を感じながら、目の前をゆく水上バスなどの船を眺めるのも良いものだなあ、などとのんびりしていると、太平の眠りを覚ますかのように奇っ怪な「赤船」が突如出現。初めて見るその姿は衝撃的であった。
早速調べてみると、東京湾や隅田川の水上バスを運行する東京都観光汽船の「御座船 安宅丸」と判明。同社のホームページによると、御座船というのは江戸時代、将軍や大名が所有した豪華クルーザーのこと。この「安宅丸」は当時のデザインを再現した船で、これまで西日本で観光用に使われていたという。それが今年2011年、東京湾に導入され、すでに日の出桟橋から大井埠頭近くを遊覧して青海(船の科学館)に至る定期航路ができ、1日3便から4便が往復している(片道40分・1000円)。さらに9月24日までは、夕方7時から約1時間半のクルーズで、ちょっと一杯やりながら東京湾の夜景を楽しむ「納涼船」の企画も行っているとのこと(乗船料のみ2000円)。まあ今回は、思いがけず目撃することができた、ということだけで良しとしておこう。
CONTENTS