ビジネス街の女神
ヨーロッパの歴史ある街を思い浮かべるまでもなく、東京の町中でも彫刻は結構見られる。近年は抽象的なものやデザインシンボル的な作品が多いように思うが、より感性を刺激するのはやはり人体を表現したものでなないか。というわけで、会社近辺をウォッチングし、個人的な趣味で女性像ばかりを集めてみた。動機が純か不純かはさておき、普段は見過ごしている街角の芸術を、ちょっと立ち止まって鑑賞してみるのも悪くはない。
左上から、日比谷公園「自由」(乗松巌)…やや古典的な感じの女神像/新橋SL広場「愛の像」(瀬戸団治)…やさしい表情の母子の像/日比谷シティ「愛」(佐藤健次郎)…この躍動感のある後姿に惹かれる/航空会館「蒼天」(浦山一雄)…良い作品が背後のコンビニの看板で台無し、このアングルでご容赦あれ/大同生命霞が関ビル「循環」(勝野眞言)…肉体の消滅と蘇生?/虎ノ門法曹ビル「テミス像」(堤直美)…右手に天秤・左手に剣、法と正義を司る女神の凛々しい姿
ところで彫刻とは彫り刻むと書くから、何か硬い素材を削って作った作品のイメージだが、さまざまな素材を組み合わせたり成型するなどして制作したものも同じように「彫刻」と呼ばれる。もう少ししっくりする言葉がほしいものである。
CONTENTS