「東京ロケ地マップ」を手に
2011年2月に発行された「東京ロケ地マップ」という冊子(写真上中)を、発行元の東京都産業労働局観光部から送っていただいたのは3月初めだった。
最近の日本の映画やドラマの舞台となった観光スポットが紹介されており、日本語、英語、中国語簡体字、中国語繁体字、ハングルの5ヶ国語版がそろっていて面白いと思った。だがA5版12頁に東京全体を対象とした情報を載せるのはいささか無理があり、日本人には物足りないであろう。では外国人はどうかというと、紹介されている作品からして欧米人には馴染みが薄いと思うが、中国や韓国の人には一定の関心を持たれそうだ。当初は都内3ヶ所の東京観光情報センターで配布し、3月10日頃から配布箇所を大幅に増やす計画とのことだったが、その矢先、3月11日に東日本大震災が発生した。伝えられる被害の大きさに、日々打ちひしがれる思いだ。外国の方はとても日本観光どころではなくなり、観光行政は厳しい時代を迎えそうである。
さて、この冊子の中で、ちょっと興味を引いたのがTBS日曜劇場「新参者」であった。日本橋署に赴任したばかりの刑事が活躍する、阿部寛主演の地域密着型?ミステリードラマである。ここなら立ち寄りやすいということで、舞台となった日本橋人形町を訪ねた。甘酒横丁という商店街には実際にロケが行われたお店もあり、「当店がドラマに登場しました」というアピールをいくつか見かけた(写真上左)。たしかに映画やドラマに登場した場所という意識で歩いてみると、いつもとはまた違った町の表情が見えるものである。ただ、大震災に伴う計画停電の影響でどのお店も照明を落とし、人通りも少なくさびしい。途中にある公園の桜並木には「お花見自粛」の看板も掲げられていた(写真左)。今年は静かな花見になりそうである。
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