出典:OECD
記事を書くとき、たとえば「年間労働時間の各国の比較」とか「日本のワイン輸入量の推移」とかの数字を入れグラフも載せたいと思った場合に頼りになるのが、OECD(経済協力開発機構)発表の資料だ。報道で「OECDの発表によれば…」という文章、「出典:OECD」と書かれたグラフを頻繁に目にするはずだ。
「出典:OECD」は英語では「Source:OECD」だが、その名のサイト「SourceOECD」では発表資料をすべて見ることができる。ただ、私は統計資料をWebで見るときは緊張してしまう。たとえば資料が「喫煙率/男性の喫煙率/女性の喫煙率/30歳以下の喫煙率」と構成されていたとして、ネットの場合、それぞれが同等にパソコン画面に出てくるため、うっかり部分を見て全体と勘違いしないかと緊張するのだ。
その点、書籍化された資料は、編集によりデータに順序・強弱がつけられているため、無用な緊張をしなくて済む。そんな私にとって幸いなのは、世界に4つしかないOECDセンターが会社のすぐそばにあることだ。数多くの資料がライブラリーとなって並んでいる東京センターは、たとえコピーができず手写しになるとしても、たいへんありがたい存在だ。
そして紙の資料の良いところは、資料集をめくっているうちに他のもっと良いデータを見つけたり、書棚の前を歩いているうちに新しいテーマを見つけたりできるところだ。いくらグーグルががんばっても、ネットではこの効果は得られないだろう。
(OECD東京センター 千代田区内幸町2-2-1 日本プレスセンタービル3F、写真は同センターのパンフレット)
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