|
霞ヶ関の植物工場
2009年2月、当社から徒歩3分の経済産業省別館ロビーで「植物工場」のデモンストレーションを見学した。2坪の温室でイチゴと、LEDで育てるレタスが栽培されている。空調と、肥料を入れた養液の循環により、季節を問わず旬の環境で野菜が作れる「植物工場」は、農薬が必要ないので安全であり、1年に20毛作ができ、形や大きさが揃う。ゲリラ豪雨や干魃の影響を受けず収穫がある、農地以外でも設置可能なシステムだ。コンピュータで制御されていて、遠隔(外国でも)で管理可能。パートに面倒を見させて、そのパートの労働時間もコンピュータで管理できる。
経済産業省だけあって、企業の発想である。予算を立て、生産を管理し、人件費などのコストを計算して、収穫する。「これまでの農業がカンでやってきたことをデータにしたい」とのこと。
企業が農業に参入する際に障壁となるのは「生産計算ができない」ことだという。計算ができる植物工場システムにより、いくつかの企業が農業に参入している。
そのひとつがJFEで、「エコ作」と名付けた作物を、既に多くのスーパーマーケットチェーンに卸している。写真右下のレタス、確かにシャキシャキとして美味しかった。利益率は1割で、農家の作物よりずっと上であるという。「エコ作」とはよく名付けたもので、農薬を避けエコを追求していくうちに、土を離れ機械で管理する農業に行き着いてしまった。
日本の農家は、土地の税金や相続、後継者不足などの問題で疲弊しているところも多い。経済産業省が推す植物工場が風穴を開けるだろうか。ロビーは見学者でいっぱいであった。
★説明つき見学は要予約
http://www.meti.go.jp/topic/data/e90122j.html
CONTENTS