こんな所に移動販売車
西新橋一丁目交差点に、住友信託銀行が入っているビルがある。その店舗脇に、昼時になると移動販売車が停まり、ランチを販売している。えっ、こんな所に出店していいの? という感じだが、このスペースは駐車場で、ビルのオーナーが直接貸しているのだから特に問題はないらしい。
かつては長い間、ロンドンの赤い2階建てバスのような店が常設状態でシンボル的存在になっていたが、最近はメロンパンやエスニック料理など、多彩な小型の移動販売車が短期間で入れ替わっている。しかも、ほとんど昼時だけの営業である。ビルのオーナーと思しき人物に聞いたところでは、知人の紹介以外では、あまり貸したくないという口ぶりであった。
さて、こうした移動販売車、ネオ屋台、屋台カー、キッチンカー、ケータリングカーなど、いろいろな呼び方をされる。手軽に始められそうだが、いろいろな許可申請が必要で、結構大変らしい。特に難しいのが売上の上がる営業場所の確保とか。道路や公園はもちろん許可が必要で、しかも簡単には許可されない。その点で上記のような私有の駐車場は好ましい出店場所だが、今度は貸す側が考える。付近の飲食店から営業妨害のクレームが出かねないし、再開発ばやりの昨今、やたらに長期の使用契約などを結ぶと立ち退きにからむトラブルも心配だろう。客として見ている分には移動販売車もなかなか面白いが、当事者の方々には、計り知れない苦労があるようだ。
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