「銀座ルール」が景観を守る
銀座通りの景観を美しくしている重要な要素は、電柱電線の不在だけでなく、建物の高さがそろって低いことだ。空が広く感じられる。1964年までに建てられたビルが多く、当時の建築法で31メートルに制限されていたためで、松屋も三越もみな31メートルである。
これでは手狭ということで、10年前に松坂屋が190メートルの高層化を計画、大論議を呼んだ結果「銀座ルール」が制定され、新しいビルは56メートル以内となった。56メートルというのは10階分で、最近銀座に多くのヨーロッパ・ファッション・ブランドが出店しているが、みな56メートル、10階建で作られている。そのうちのひとつ、2007年12月にオープンしたブルガリタワーは、最上階に全面ガラス窓のバーを設置している。四方を見渡すと視界を遮るものがほとんどなく、銀座のビルがいかに低いか改めてよく分かる。写真の奥に見える東京タワーは、肉眼ではもっと大きく感じられた。無闇に高層ビルを建てない街の良さを改めて感じる眺めであった。
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