空中回廊の終着点
汐留シオサイトは「ペデストリアン・デッキ」などと呼ばれる歩道が空中に数多く作られ、ビルとビル、ゆりかもめの駅などを結んでいる。この空中回廊、なかなか未来的で、穏やかな天気の日は快適に歩くことができる。
だが、シオサイトから一歩足を踏み出すと、「昭和」の遺構が顔を出す。カレッタ汐留を過ぎ昭和通りに出て銀座に渡ろうとすると、突如空中回廊は途切れ、鋼材まる出しの無骨な「歩道橋」が連結しているのである。「銀座東8丁目歩道橋」という。これがまた結構すごい歩道橋で、途中首都高速にぶつかるため、その下を一度潜らせて通りぬけるという設計には恐れ入る。さらに昭和通りをまたぐ部分は距離も長く、大型車が頻繁に通るため揺れも相当なもの。雨風の強い日などは、ちょっとしたアドベンチャーとなってしまう。本日は何とか無事に銀座8丁目に到着。シオサイトのビル街をバックに、いかにもといった表情の歩道橋が何とも不似合いではないだろうか。
2007年現在、東京都には751の歩道橋があるそうだ。2003年の773から、22減少している。老朽化などの問題もあり、少子高齢化で環境が変わり利用度の著しく低下した箇所が撤去されているようである。子供たちには足腰を鍛える効用もあるかもしれないが、高齢者やハンデのある方にとって歩道橋はつらい。実は歩道橋を英語でいうと、冒頭のペデストリアン・デッキまたはペデストリアン・ブリッジとなる。どうしても必要なものなら、そのスマートな言葉のフィットする、誰もが登ってみたくなる歩道橋になってほしいものである。
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