四神の守る社
あ~あ、こんなになっちゃって、というのが正直な感想だ。虎ノ門1丁目にある金刀比羅宮は、2004年11月、敷地内に地上26階・地下3階のメタリックなオフィスビルが竣工したおかげで、冷たく味気ないビルのトンネルを抜けてお参りするような形になってしまった。
この金刀比羅宮は万治3年(1660)、讃岐国丸亀藩主であった京極高和が、その藩領内にある金刀比羅宮(讃岐のこんぴらさん)の分霊を江戸の藩邸内にまつったのが始まりとのこと。海上守護、大漁満足、五穀豊穣・殖産興業・招福除災にご利益があるとされ、今日まで広く信仰を集めているが、周辺がオフィス街のため、平日の昼休みの時間帯など、境内が近隣のサラリーマンの憩いの場にもなっている。
社殿は戦災で焼失し、昭和26年(1951)に我が国古来の建築技法を駆使して再建された。現存する最も古い建造物はたぶん写真の鳥居で、文政4年(1821)に奉納されたと記されている。目を引くのは、左右の柱に四神の彫刻が施されていること。四神とは中国を中心とするアジアの古代思想にある四方の守り神のことで、東の青龍、西の白虎、南の朱雀(赤い鳳凰)、北の玄武(亀と蛇が合体した姿)を言う。奈良県明日香村の高松塚古墳やキトラ古墳を守っているかと思っていたら、こんな身近なところにもお出でとは! しばし感激。
ところで、四神といえばNHKが放送しているぺ・ヨンジュン主演の韓流ドラマ「太王四神記」が結構面白いという。四天王、十二神将から真田十勇士、里見八犬伝、七人の侍、七人の刑事、サイボーグ009、ゴレンジャーまで、どうも日本人は、個性ある複数のキャラクターが集まって活躍する話が好きなようだ。ちょっと話が脱線しすぎですかね。
CONTENTS