新緑まぶしい
白金の森
ゴールデンウイークには新緑の野山でも歩いてリフレッシュしたいところだが、今年2012年は天候不順に加え、仕事も引っかかって出かけそびれてしまった。
その代りというわけでもないが、1週間遅れの5月13日の日曜日、地下鉄白金台駅から徒歩5分のところにある国立科学博物館付属自然教育園に行ってきた。目黒通りから一歩入ると自然味豊かな森が広がっていて、まるでどこかの高原の自然公園にでもきたような気分が味わえる。3月に訪ねた時はまだ冬枯れ状態だったが、2か月で輝く緑の森に一変していた(写真右上下)。天気は穏やかに晴れて最高。目に青葉、鳴いているのはホトトギスではなくハシブトガラスばかりだったが、やはり新緑の中に身を置くと元気が出て気持ちが良い。
それにしても、なぜこんなところに森があるのか。江戸時代は高松藩の下屋敷だったが、明治の初めから昭和24年(1949)に国立自然教育園(当時の名称)として一般に公開されるようにまでのおよそ80年間、国の軍事施設が置かれたり、皇室の御料地であったりして開発の手がほとんど入らなかった。そのため自然の生態系が機能し、今日のような森が成長したという。
散策だけでもよいが、定期的に開催される自然教育などの催しに参加するのも勉強になる。特に毎月1回、園の研究者などが講師となって行う日曜観察会は無料で、事前の申込も必要なく参加しやすい。この日は「カワセミの子育て」がテーマ。例年なら巣の様子をライブカメラで観察するが、今年はカワセミが営巣せず断念、その代りに主のいない営巣地の見学ができた(写真下左)。このような一般の来園者が入れない場所に案内してもらえるのも、観察会の楽しみの1つである。
まだまだ都会にも貴重な自然がある、いつまでも大切にしたいものである。
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