日比谷公園のメモリアル・アイテム
都心のオアシス・日比谷公園は1年中、花と緑が絶えることはないが、やはり冬場は少し寂しくなる。そんな時期には、さりげなく園内に置かれた、いわくありげなオブジェに目を向けてみるのも良いものである(それぞれに付いている解説を短く紹介)。
A.開園時の公園灯…明治36年(1903)の開園当時に設置されていたアーク灯。すぐ近くに、同じデザインで統一した水飲みも残されている(円内)。
B.自由の鐘…1776年、アメリカ独立宣言の際に鳴らされた鐘の複製。昭和27年(1952)、アメリカ国民有志から連合軍総司令官を通じ日本新聞協会に贈られた。
C.京橋の欄干柱…明治8年(1975)に築造された京橋の欄干柱。大正11年(1922)の掛け替えの際に保存された。橋名を刻んだ親柱は京橋にある。
D.石橋…増上寺の旧御成門前を流れていた川に掛けてあったという江戸時代の石橋。明治時代の都市計画で撤去されたもの。
E.埴輪像…昭和40年(1965)、宮崎県立平和台公園と姉妹公園になったことを記念し、宮崎県から東京都に贈られた。
F.ルーパロマーナ…牝狼に育てられ、成長してローマを建国したという伝説のロムルス・レムス兄弟が、狼の乳を飲んでいる様子を描いた彫刻。昭和13年(1938)にイタリアから贈られた。
G.石貨…南太平洋ヤップ島で実際に使われていた石の貨幣。大正14年(1925)に寄贈された。
H.古代スカンジナビア碑…昭和42年(1967)、北極経由の航空路開設10周年を記念してスカンジナビア航空から寄贈。スカンジナビア・バイキングの古代文字碑を模したもの。
I.ホセ・リサール像…フィリピンの独立運動の英雄。明治21年(1888)、日比谷交差点付近にあった東京ホテルに滞在したことにちなみ、日本人有志などの手で昭和36年(1961)に設置。
J.烏帽子石…江戸城市ヶ谷御門の石垣の中にあり、その形から「烏帽子石」として親しまれていた。明治時代の道路拡張工事で石垣が取り壊されたため、ここに保存。
ところで、この2010年の年の瀬には、日比谷御門跡近くの心字池にいる獲物を狙ってカワセミが1羽飛来しており、さらにその姿をとらえようとカメラ好きが集まるという新たな「生態系」が生まれている。熊やイノシシは困るがカワセミなら歓迎だ。私も挑戦したが、撮れた写真はこの程度(写真右)。申し訳ありません。
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