江姫ゆかりの八幡さま
メトロ神谷町駅から3分ほど南へ、国道1号線・桜田通りに面して西久保八幡神社の参道がある。都内では珍しくない、ビルの谷間の小さな参道である。近くにある愛宕神社とは比較にならないが、結構急な石段がついている。苦労をして上ってこその有難さ、聖なる場所は高き所にあるのだ。上りきると、空気が変わる。
今年2011年が御鎮座一千年の記念の年だそうだから、かなり歴史のある神社である。最初は霞ヶ関あたりにあったが、太田道灌が江戸城築城にあたり1457年に現在地に移したという。八幡(はちまん・やわた)神社というのは稲荷神社に次いで数が多く、全国に2万5000社ほどあるとされる。歴史的には武士の台頭とともに特に武運の神様として信仰を集め、この西久保八幡神社には、今年2011年のNHK大河ドラマの主人公「江」が、関ヶ原の戦いに出陣した徳川家康と夫・秀忠の戦勝を祈願し、成就したお礼に社殿の建立を申し出、子の家光がそれを実現したという話が伝えられている。その後、火災や戦災で何度も建て替えられ、現在の社殿は昭和28年(1953)の築とされるが、それでも60年近くを経過しており、都心にありながら、昔懐かしい神社の雰囲気をよくとどめている。
訪れた6月は、半年間の穢れを祓う「夏越の大祓」(なごしのおおはらい)という行事が多くの神社で執り行われる月で、そのシンボルともいえる「ちがや」で作られた「茅の輪(ちのわ)」が飾られていた。説明書きにあるとおり、左足でまたいでくぐって左回り、次に右足でまたいで右回り、もう一度左足でまたいで左回り、最後にまた左足でまたいで神前に進み、二礼二拍手一礼でお参りし、清らかな身になって戻ってまいりました。
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