マッカーサー道路、建設中
わが西新橋周辺は、あちこちで建物が取り壊され、工事が進んでいる。その中でも、気が遠くなるような工事の1つが、環状2号線新橋・虎ノ門地区市街地再開発事業であろう。
環状2号線というのは、終戦直後の1946年に計画された、新橋から赤坂、四谷、水道橋を経て秋葉原近くの昭和通りに至る延長約9.2キロ、幅員100メートルの道路である。1950年に計画は幅員40メートルに変更され、これまでに、秋葉原から霞ヶ関の東京倶楽部ビル付近までと、1993年に新たに延伸が決まった有明地区の一部が供用されている。
しかし、この新橋・虎ノ門地区は、建物の密集する市街地をつぶして広い道路を作るというもの。こんなとんでもない計画は連合国軍総司令部(GHQ)が言い出したものに違いないという噂が広がって、いつしか「マッカーサー道路」といわれるようになったが、計画は一向に進まず、都市計画地域のため自由な開発もできず、ここだけが取り残されてきた。それが都市再開発ブームの中で、自動車道路を地下化し、新しい市街地を作って住民が引き続きこの地区に住み続けられるプランができたことで、半世紀以上を経た2002年にようやく動き出したのである(もう「マッカーサー」って何?といわれる時代だ!)。
上の写真は、新橋駅近くの第一京浜(国道15号線)に面した工事現場。汐留−虎ノ門間の道路トンネルを掘っているところである。2つ目の写真は、愛宕下通りの愛宕1丁目交差点から空地の続く汐留方面を写したもの。中央は日本テレビタワーだ。3つ目は同じ場所から虎ノ門方面を見たもので、ここには超高層ビルを核にした新市街地ができる。そして道は奥に見えるJTビルの方向へと伸びる計画である。
しかし、このあたりにはまだ中小のビルや民家が残る。また江戸時代にはいくつもの大名屋敷があった地域であり、工事の前には文化財調査も欠かせない。2009年の現在も、工事がいつ終わるのか皆目わからない状態が続いている。
今後の経過に注目していきたい。
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