多彩なアキバが大集合
「秋葉原」と聞いて多くの人が思い浮かべる街は、JR秋葉原駅の北西、千代田区外神田1丁目~4丁目あたりであろう。秋葉原という地名がJRの線路を隔てた反対側の台東区にあるのだが、そんなことにはお構いなく街の呼称として定着してしまっている。
それにしても、秋葉原の変化はダイナミックだ。個人的な最初の印象は「電気製品や電気部品などが豊富に揃い、安価で買える街=電気街」であった。その後、オーディオや家電からパソコンに主役が交替したあたりから変化のスピードが上がった。パソコンといえばゲーム、ゲームといえば美少女、美少女といえばアニメ、アニメといえばフィギュア、フィギュアといえばコスプレ、コスプレといえばメイド、メイドといえばアイドル…という具合に、風が吹けば桶屋式の予想もつかない商品の連鎖が生まれ、新たな客層を呼び込んできた。その原点にあるのは、マニアックな欲求を刺激し続けるエネルギーであろうか。
しかし、昔からのマニアックな世界もしぶとく生き残っている。そのことを改めて感じさせられたのが、2012年1月8日~9日、中央通りのイベントビルで開催されていた「アキバ大好き!祭り」であった。伝統的ホビーの鉄道模型から、ラジコン、プラモデル、フィギュア、アニメ関連商品、ゲーム、ロボット、放射能測定機、その他使い方がよくわからない電気製品や不思議グッズの数々が蚤の市のように狭いスペースにひしめき、体験コーナーでは真空管オーディオの脇でハイテク技術を取り入れたラジコンヘリが飛び、ハンダ付け教室の後ろでメイドさんのライブが繰り広げられた。多種多様なマニアの世界が混然一体となって共存する、まさに現在の秋葉原を凝縮したようなイベントだった。ただ、あまりに内容がバラバラすぎてマニアの方には物足りなかったせいか、盛り上がりは今一つだったようである。
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