テーマが謎の物産展
2009年11月5日、昼食をとろうと新橋駅近くまで歩いてきたら、駅前のSL広場が何やら騒がしい。のぞいてみると6日にかけて地方物産展を開催しており、大賑わいだった。
それにしても北海道佐呂間町があれば鹿児島県があり、茨城県は3つの市が出店している。何でこんなにバラバラなのか、テーマは何なんだ、などとすぐ理屈っぽく考えてしまうのは悪い癖である。見渡すと「商店街と地方都市との交流物産展」との看板があり、主催が港区産業振興課、共催が港区商店街連合会となっている。聞けば、港区や区内の商店街などと何らかの関わりのある自治体に、協力して地域振興を図りましょうと声をかけて実現した催しらしく、今回が初の試みとのこと。12の道県にわたり17の自治体が出店している。よく計画されたデパートの地方物産展などとは違う、この無作為抽出のようなバラバラさと雑然とした賑わいが何とも新橋の雰囲気に合っているではないか。もう理屈なんかどうでもよい、とりあえず楽しもうという気になってきて、北海道佐呂間町の蒸し牡蠣、茨城県常陸太田市の牛肉串焼き、同笠間市のいなりずし、山形県舟形町の芋煮などを次々に平らげたあと、鳥取県の菓子折まで土産に買ってしまい、気がついたら思わぬ出費になっていた。ワインを販売していた山梨県笛吹市のテントに立ち寄ると、担当者は3日・4日に日比谷公園で行われた「山梨ヌーボーまつり」に続いての出張営業ということで大変そうだったが、「大勢のお客さんがみえて張り合いがありますよ」と元気に答えていた。改めて、商売は集客=賑わいの創造だよなあ、と納得した次第である。
この物産展は夜8時まで開催とのことだったので、6日の勤め帰りに様子を見に行くと、まだ7時前というのに完売御礼が続出、あちこちで片付けが始まっていた。この調子なら、来年も引き続き開催されるに違いない。
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