楽しみながら世界を知る
2009年10月3日、4日に「グローバルフェスタ」というイベントが日比谷公園で開かれていた。
1987年に政府が定めた「国際協力の日」(10月6日)にちなみ、1990年から始まった国際協力のイベントで、外務省、独立行政法人国際協力機構(JICA)をはじめ、援助や環境関連の政府機関、公益法人、各国大使館、企業、自治体、それに多数のNPOが参加している。「国際協力」というと他国と一緒に何かをするイメージだが、意味的には「援助」といったほうが合っている。つまり開発途上国への援助や、災害や紛争被害への支援などについて、多くの人の関心を高め、参加を促そうというものである。地球環境の変化が開発途上国や貧困層に一層深刻な影響を与えるということで、今年は「環境・気候変動問題」が大きなテーマになっており、環境関連の出展も多かった。
3日は天気が悪かったため、4日の日曜だけのぞいてみたが、予想以上の人出だった。それほど大きくPRをしているわけでもないのに、なぜこれだけの人が集まるのだろうと不思議に思うイベントが結構ある。これもその1つ。一般の方々が持っている情報力には本当に感心させられる。特にこのイベントは若い人の姿が目立ち、学生らしき若者もNPOのメンバーとして多数参加している。自分の過去を振り返ると、今の若者のほうが格段に国際意識が高いように見える。
さて、日ごろ関心の薄い人間が歩き回っても、何を見てよいのかよくわからない。会場の半分はアジア・アフリカフェアといった印象で、各国の物産や各種チャリティー品が販売されており、特に女性たちの関心は高いようだったが、今ひとつピンとこない。とりあえず、売上金が援助に役立つという飲食物に手を伸ばしてみる。カレーや肉料理、麺料理、ナンのようなパン類、コーヒー、紅茶、フルーツドリンクの類が多い。料理については日本人に合うようにだいぶアレンジしているだろうが、それなりに異国文化を楽しめる。物品では、日本ユニセフ協会のブースで見つけた熊のマスコットとユニセフ仕様のミニカーが気に入った。購入代金の約半分が国際援助にあてられるという。これを身のまわりに置いておくと、ちょっぴり国際貢献したような気分になれそうである。
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